「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

血圧を下げることについて

私の心臓は健康らしい - recoca1940のブログ (hatenablog.com)

次は高血圧について。私はよく高血圧の傾向ですねと言われる。最近はそうでもないが170くらいのことはよくあります。ではこの値はどのくらい危険なのだろうか。ずっと疑問に思っていたのですが、答えの書いてある書物を見つけました。

引用

「血圧175の人と125の人が脳卒中になる確率はどのくらいと思いますか。私は度々この質問をします。125なら安全だが175の人は今にも脳卒中を起こす危険があると思ってる人が多いのではないでしょうか。しかし、なんとリスクは両方ともほとんど同じなのです。1000人当たりの年間脳卒中発症者について、血圧175の場合は2.7人。対して125の場合でも1.8人なのです。発症率にして0.27%と0.18%の違いです。」

これは大阪がん循環器予防センターの研究報告です。血圧175で降圧剤飲まなくても脳卒中のリスクはわずか0.27%です。これを薬を一生懸命飲んで0.18%にリスク低減しようとしているのです。

 

とある薬を飲むと、1000人に一人、脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)を防ぐことができる。

 

発症率を0.1%下げることができる。

 

上の話だと、血圧の上を175から125に下げると、脳卒中の発症率が0.09%下がるということですね(0.27-0.18=0.09)。

 

1÷0.0009=1111.11

 

血圧の上を175から125に下げると、1111人に一人、脳卒中を起こさずに済ますことができるということですね。

 

一方、薬には副作用があります。

 

血圧を下げ過ぎると脳梗塞を起こす危険性が高くなります(脳に血が行かなくなるので)。

 

自分が1111人に一人になれると考えるなら、ともかくとして、脳梗塞を起こす危険性を冒して、血圧を下げる必要はないと思います。

 

注。これは一医師としての見解を示したもので、それ以上のものでも、それ以下のものでもありません。