「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

認知症の治療と予防

レカネマブ⇦アルツハイマーの新薬 - recoca1940のブログ (hatenablog.com)

まず第一に薬の適応者がアルツハイマー発症前かごく初期に限定される。しかもその効能は完治ではなく悪化を7.5か月遅延させるだけである。そして治療前、中にMRIを何度もとる必要があり、薬価も高価。重篤な脳への副作用も散見される。薬価は米国で年間約2万6千5百ドル(日本円で約350万円)である。

私のコメント。

薬価が無茶苦茶高いと思う。

一月30万円(1割負担だと3万円)ということかな。

研究テーマ|認知症|久山町研究|九州大学大学院 医学研究院 (kyushu-u.ac.jp)

これまでに認知症発症との関連が報告された栄養素と関連する食事パターンを縮小ランク回帰法により検討すると、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、牛乳・乳製品の摂取量が多く、米の摂取量が少ないという食事パターンが抽出された。この食事パターンには、果物・果物ジュース、芋類、魚の摂取量が多く、酒の摂取量が少ないという傾向も認められた。次にこの食事パターンをスコア化し、追跡調査において食事パターンスコアと認知症発症との関係を検討した結果、この食事パターンの傾向が強い群ほど全認知症の発症リスクは有意に低下した。この有意な傾向はVaDおよびAD発症でも観察された。

減らすと良い食品となった米を単品で見ると、その摂取量と認知症発症との間に明らかな関連は認めなかった。一定の摂取カロリーの中で、米(ごはん)の摂取量を減らして予防効果がある他の食品(おかず)の量を増やす食事パターンがよいことを示しているといえる。一方、増やすとよいとなった食品群と認知症発症の関係を検討すると、牛乳・乳製品のみが認知症発症と有意に関連しており、牛乳・乳製品の摂取量の増加に伴いVaDおよびADの発症リスクは有意に低下した。(引用はここまで)

 

neruzoh注。

VaDとは、vascular dementia(血管性認知症)のこと。脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)が原因でなる認知症のこと。

ADとは、アルツハイマー認知症のこと。

 

私のコメント

大豆・大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、牛乳・乳製品の摂取量が多く、米の摂取量が少ないという食事パターンが認知症を予防するのに良い、というのがこの研究の結果の肝だと思う。

牛乳・乳製品を摂れば摂るほど、血管性認知症アルツハイマー認知症の発症は少なかった、という結果も出ている。