「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

骨の話

1188-1195.pdf (jsn.or.jp)

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 骨量は骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスが保たれることで一定に維持される。骨芽細胞は、間葉系幹細胞を起源とする 20~30μm 程度の細胞で、Ⅰ型コラーゲンのほか,オステオカルシン(osteocalcin:OC)、オステオポンチン、骨シアロ蛋白などの非コラーゲン性蛋白、デコリンなどのプロテオグリカンなどの骨基質蛋白を合成、分泌するともに、石灰化を司り、骨形成において中心的な役割を果たす。

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オステオカルシン(OC )欠損マウスは、野生型マウスと比較して体重が重く、さらには、膵臓β細胞の減少およびインスリン分泌低下、アディポネクチンの血中濃度低下によるインスリン抵抗性の増加などが認められ、肥満と血糖値の上昇を示す。また、培養液中への OC の添加により、膵臓β細胞株の増殖とインスリン分泌が増加し,脂肪細胞ではアディポネクチンの発現が亢進する。さらに,肥満糖尿病モデルマウスに OCを投与すると、インスリン分泌およびインスリン感受性が亢進し、血糖値が低下するとともに脂肪量が減少する。したがって、OC は、膵臓β細胞と脂肪細胞に作用し、インスリン合成分泌やアディポネクチン分泌を促進することで、糖・エネルギー代謝を改善するホルモンとしての働きがあることが明らかとなった。(中略)

こうして、骨は従来から知られていた重力に抵抗するための臓器としての枠を越え、他の臓器とホルモンや神経のネットワークを形成し、個体全体の恒常性にかかわる重要な臓器であると考えられる。(引用はここまで)

 

噛み砕いて、説明する。

①骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)がある。

②骨芽細胞から、オステオカルシン(osteocalcin:OC)、オステオポンチンといったホルモンが出ている(この部分が最近のトピックス)。

ちなみに、osteoとは、骨という意味。calcinというのは、恐らく石灰化するという意味だと思う。

③オステオカルシンのないマウスは、膵臓β細胞の減少およびインスリン分泌低下を認めた。→膵臓から出されるインスリンというホルモンの出が悪い。

肥満糖尿病モデルマウスに オステオカルシンを投与すると、インスリンが出が良くなった。

インスリンは、血糖値を下げる作用がある。

インスリンの出が悪くなると、糖尿病になる。

 

まとめ

骨は身体を支えるだけでなく、骨からホルモンが出ている。

牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚でカルシウムを摂ること、太陽の光を浴び、皮膚でビタミンDを作ることが、身体に良い、と考えられる(ビタミンDは小腸でカルシウムの吸収を促す)。