「がんに効く生活」とか

1972年9月生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

コレステロールは「金のなる木」

コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる」(浜崎智仁著)p21-22

 

コレステロールは「金のなる木」

 

結論からいおう。もともとコレステロールは安全なのだ。動物に必要な、細胞膜の構成成分なのだから、どこまでいってもきりがない。

コレステロール悪玉説」を唱える人たちが、こうして次から次へと方針を変えることになるのは、いったいなぜなのだろう。

その理由は、恐ろしいことに、コレステロール=悪玉としておいたほうが、圧倒的に経済効果が高いからだ。コレステロール値を低下させる「スタチン」という薬だけで、日本では年に2500億円も使用されている。全世界だとその金額は3兆円に上る。

そうなると、スタチンの関係者にとって、「コレステロール無害説」など許せるはずがない。大量の「情報」を発信して、反対派の声をかき消さなければならないことになる。コレステロールの是非に関して何十年も決着がつかないのは、間違った理論を守るために巨大な金銭的バックがついているからである。

まさに、多数決で科学的真理を決める「天動説の戦い」である。

このため、筆者のように「コレステロール無害説」を説き続けても、一銭の得にもならないどころか、医学界からは異端者扱いされることになる(なお、筆者は2009年に「コレステロール 嘘とプロパガンダ」(篠原出版新社)という、本書でもたびたび取り上げる翻訳書を出版したが、報酬(原稿料や印税)はまったくなくて、すべて現物支給である)。

ただ、日本の一般の研究者たちは非常に質が高く、学会などで筆者がコレステロール悪玉説の問題点を指摘すると、多くの医師や研究者が極めてまじめに聞いてくれる。

要は、発信される情報量の差なのである。

(引用はここまで)

 

血圧を下げる薬も、ここまで酷くはないけれど、同様なのではないか、と思う。