「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

牛乳が苦手な方へ

コメントを頂いた。

chimaringさん

>(牛乳は)苦手なんですけど頑張ってみようと思います

くろいぬさん

>子供の頃は牛乳好きでしたね。今はその名残りなのか、コーヒー牛乳をついつい飲んでしまいます。

きょうこさん

>勤務先(小学校)では給食のメニュとしての牛乳をいただきます。

 

ヒトは皆、子供の頃は牛乳が飲める(母乳が飲めるのと同様に)。

しかし、黄色人種と黒人は(日本人、中国人といった東アジアの人、インドネシア人を含む東南アジアの人、サハラ砂漠以南に住むアフリカ人は)、大きくなるに従い(中学生になる頃から)、飲めなくなる。

 

子供は、ラクターゼという酵素(乳糖を分解する酵素)が小腸から出ている(分泌されている)。

 

母乳に含まれる乳糖を分解するために分泌されている。

 

しかし、大きくなると、これは要らなくなる。

 

母乳を飲まなくなるからだ。

 

従って、黄色人種と黒人は(東アジアと東南アジアの人、サハラ砂漠以南のアフリカ人は)、13歳位から、ラクターゼの分泌が少なくなり、大人になった頃には、少ししか出ていない、という事になる。

 

黄色人種と黒人の成人は、牛乳があまり飲めない、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、という事になる(牛乳に含まれている乳糖を分解出来ないので)。

 

白人(パキスタン人、アフガニスタン人、近東人、北アフリカの人、北西ヨーロッパ人)は、13歳以降も、ラクターゼの分泌が保たれている。大人になっても、ラクターゼの分泌が保たれている。

 

従って、子供の頃と同じ様に、牛乳が沢山飲める。

 

チグリス、ユーフラテス川辺りではないかと思うが(間違えていたら、すみません)、昔、その辺りに住んでいる人の遺伝子に突然変異が起きた。

 

突然変異を起こした遺伝子を持つ人は、13歳以降も、ラクターゼの分泌が減らない。大人になっても、ラクターゼの分泌が、子供の時のままだ。

 

この遺伝子を持つ人は、牛乳を幾らでも飲める。

 

天候が悪くて、小麦が不作だった時でも、牛乳を沢山飲める人は生き延びる事が出来ただろう。

 

ちなみに、小麦は、リシンというアミノ酸、身体にとってどうしても必要なアミノ酸(必須アミノ酸)を少ししか含まない。

 

一方、牛乳は、リシンを沢山含む。

 

小麦と牛乳の組み合わせは、栄養学(アミノ酸をバランス良く摂る)の観点から見て、理想的だ。

 

従って、小麦しか栽培出来ないエリア(インド北部、パキスタン以西、北アフリカ、ヨーロッパ)では、乳牛が飼われ、牛乳がよく飲まれる、という事になった。

 

大人になっても、牛乳が飲めるという人(大人になっても、ラクターゼの分泌が保たれているという人、そういう遺伝子の変異を持った人)は、小麦しか栽培出来ないエリアでは、生き延びるに当たって、そうでない人より、圧倒的に有利だっただろう。

 

疫病が流行ったら、ラクターゼの分泌が保たれている人だけ生き残った、という事もあったかも知れない。

 

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私と母は、ラクターゼの分泌が多少あるようで、ある程度、牛乳が飲める(飲めた)。

 

母方は、渡来人の血を引いているのだろう。

 

渡来人の中には、西の方からやって来た人もいたのだろう。

 

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牛乳の飲み方

 

①少しずつ飲む。時間を空けて飲む。1回125mlで、8時間間隔で飲めば行けるはず。

 

②口の中で、温めてから、飲む。温めて飲むと、胃の中で、牛乳が凝固する(固まる)。その結果、胃から十二指腸に乳糖が出されるのが少しずつになる(牛乳がどっと流れ込まない)。

 

③ヨーグルトと一緒に飲む。ヨーグルトに含まれている乳酸菌が、乳糖を分解してくれる(少し不正確な言い方ですが、大雑把にはそう)。

 

ご参考になれば幸いです。

 

参考文献

ja (jst.go.jp)