「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

大腸癌の予防、早期発見

いけごんさんからコメントを頂いた。返事の続きを記事にする。

高身長の成人は大腸がんリスクが高い可能性 | がん治療・癌の最新情報リファレンス (cancerit.jp)

米国疾病対策予防センター(CDC)によると、米国の平均身長は男性で5フィート9インチ(約175.26センチ)、女性で5フィート4インチ(約162.56センチ)である。つまり、男性は6フィート1インチ(約185.42センチ)、女性は5フィート8インチ(約172.72センチ)(米国の平均身長より4インチ/10センチ高い)以上であると、大腸がんのリスクが14%、腺腫のリスクが6%高いことになる。

この確率は、人口統計学、社会経済学、行動学などに基づいた既知の大腸がんリスク因子で調整された結果である。それらのリスク因子には、年齢、大腸がんや腺腫の個人歴や家族歴、慢性炎症性腸疾患の個人歴など、修正が不可能な因子が含まれる。米国では、大腸がんの半数以上が、不健康な食事、運動不足、喫煙、アルコール多量摂取など、修正可能な生活習慣要因と関連している。測定尺度が異なるため直接比較はできないが、高身長は、喫煙、適度な飲酒、加工赤肉(*)の多量摂取といった、よりよく知られた修正可能な要因と同様に、大腸がんリスクに一桁の差をつける可能性がある。現在、消化器内科医は大腸がん検診を勧める際、遺伝的リスクと加齢によるリスクを重視している。(*サイト注:赤肉とは、牛・豚・羊などの肉。鳥肉は含まない。脂肪に対する赤身肉とは異なります。)

(引用はここまで)

息子さん、煙草を吸われているのであれば、止めた方がいいと思います(他の癌になる危険性も上がる)。

リスク : 医学と投資についての随想 (KAPPA) (livedoor.jp)

大腸癌は、最近漸増しているが、明確なリスク・ファクターがない。赤身肉を食べる人に大腸癌が多いとか、肥満の人に大腸癌が多いとか、逆に果物を多く食べる人に大腸癌が少ないというデータはあるが、せいぜい数%の話だ。従って、すべての人は、40歳を過ぎたら、下部消化管内視鏡検査を 受けたほうがいい。異常がなければ、5年後の検査で十分だ。

(引用はここまで)

下部消化管内視鏡検査を受けたらいいと書いています。

これについては息子さんにお任せします。

大腸内視鏡検査に思う : 医学と投資についての随想 (KAPPA) (livedoor.jp)

便潜血反応は、死亡率を下げるエビデンスもあり、公衆衛生学的には文句ないのですが、大腸内視鏡検査についてはどうでしょうか?お金の問題で、大腸内視鏡検査を住民あるいは社員を対象にして行うのはほとんど不可能ですが、個人のレベルでは死亡率を下げるエビデンスがあるなら、受けたいという方も多いかと思います。
なお、個別のがん検診は、その検診が対象にしている癌死を低下させるというエビデンスはあっても、全死を減少させるエビデンスはないのが、ほぼ全てです。「全死が減らないなら意味ないじゃん?」というのは、真っ当な意見ですが、私は(おそらく多くの方も)後悔して死にたくはありません。早期発見が困難な膵臓がんで死ぬのは諦めがつくとしても、早期発見が可能な胃がんや大腸がんでは死にたくないのです。

(引用はここまで)

neruzoh注。

その検診が対象にしている癌死。

がん検診について もっと詳しく:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)

大腸癌検診の場合、問診と便潜血検査を行う。

便潜血検査が対象としている癌死は、大腸癌による死亡(率)。

全死とは、全死亡率のこと。大腸癌だけでなく、肺癌も胃癌も、もっと言うと、脳卒中心筋梗塞も全部含めた死亡率のこと。

 

便潜血検査は、定期的に受けたら良い、と思います。

そんなに手間は掛からないと思うので。

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加工赤肉(具体的にはベーコンとか)についてです。

私は、肉を(牛も羊も豚も鶏も)、現在、食べていません。

どこまで厳しくするかについては、個人個人で判断するしかない、と思います。

 

エビデンスがあること(医者に相談して言われるだろうこと)は、これ位だろう、と思います。