「糖質過剰」症候群p179-180
加齢性難聴などの聴覚障害も、糖尿病で多くなる。アメリカ人5140人を調べたところ、若干の程度の難聴を含めると、糖尿病の成人の2/3以上に影響を及ぼし、糖尿病でない人の約2倍であった。
(中略)
加齢性難聴は認知症ともリンクしている。アメリカ人639人を約12年追跡したところ、認知症の発生リスクは、難聴の重症度が軽度であれば1.89倍であり、重度であると約5倍にもなる(聴力検査においては正常は25dB未満、軽度の難聴は25~40dB、中程度の難聴は41~70dB、重度は71dB以上)。
メタボリックシンドローム、糖尿病は、突発性難聴のリスクを高める。台湾で突発性難聴の181人と181人の対照群とを調査したところ、メタボがない人と比較して、メタボがあると突発性難聴は3.54倍であった。
また、糖尿病の人26556人と、糖尿病でない人26556人を比較したところ、糖尿病があると突発性難聴の発生率は1.54倍になり、発症リスクは糖尿病の重症度とともに高まっていった。
(中略)
狭心症や心筋梗塞のところでも述べたが、糖化したフィブリノゲンは溶けにくく、血管を詰まらせやすい。目にも耳にも鼻にも、非常に細い動脈が流れているので、糖化したフィブリノゲンや減少したグリコカリックスの影響を受けやすく、障害を起こしやすいと考えられる。
(引用はここまで)