「がんに効く生活」とか

1972年9月生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。現在も癌細胞の塊を左肺に持っていると考えています。

精神科の話

 heartmilさんからブックマークコメントを頂いた。

精神科のお話に興味があります。前向きになれるようなお話がありがたいです

精神科の外来は本当に忙しい。

午前9時(もしくは8時半)から外来を始めると、お昼御飯は、いつも午後2時半か3時頃だった。

とにかく終わらない。

患者さんが多過ぎた。

従って、病院の精神科を受診しても、あまり癒される事は無いのではないか、と思う(heartmilさん、すみません)。

クリニックも大差無いのではないか、と思う。

クリニックでも外来をした事はあるが、こちらも定時に終わった事が無い。

「みんな、どうしているのだろう」と思う。

私は話を聞く時はカルテを書かないというやり方だったので、それが良くなかったのかも知れない(診察を終えてから、カルテを書く)。

とにかく、良心的にやろうと思えば、医者が疲弊する、というのが、現在の医療のシステムだ。

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直腸癌、両肺転移が見つかった時は、すごく落ち込んだ。

精神科医をしているから、落ち込まない」なんて事は全然無い。

うつ病統合失調症の方を診るのを仕事にしていたというだけで、落ち込む時は落ち込む。

私自身は「物事を明らかにし、その上でベストを尽くしたい」という考え方の持ち主なので、どれ位生きられるのか、何をするのが良いのかを、それぞれ論文を読んだり、本を読んだりして勉強をした。

最終的には、それでしか解決出来ないのではないか、と思う(身も蓋も無い話ですみません)。

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本当に病気の人は精神科に掛からないといけないと思う。

だけど、そうでない人は、なるべく自分で対処した方が良い、と思う。

「なるべく医者に掛からないで済むように」という思いで、私はブログを書いている。

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heartmilさんの期待に沿えるような事を書く事が出来ず、少し申し訳無い気持ちです。

でも、嘘を書いても仕方が無いので、経験した事や思った事を正直に書きました。