「がんに効く生活」とか

1972年生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

スポーツドリンク

「肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか」清水泰行著、p137-142

運動後などの脱水状態で、糖質をたっぷり含んだスポーツドリンクで水分補給を行うと、腎臓に大きな負担を与える。腎機能が低下した高齢者も糖質を含んだ飲み物は要注意である。

普段の生活で、糖質たっぷりのドリンクを飲むことは肥満や糖尿病の原因になると認識している人であっても、運動などによって汗をかいたときの水分補給にスポーツドリンクを飲むこともあるだろう。しかし、運動後であっても、スポーツドリンクなどの糖質入りドリンクは危険である。(中略)

スポーツドリンクをはじめ様々な糖質入りドリンクは、運動するときだけでなく、日常生活、特に暑い日の脱水予防や軽度の脱水改善であっても飲んではいけない。脱水予防のために飲むようにテレビで宣伝されている飲み物は、その多くが砂糖や果糖をいっぱい含んでいる。腎機能が低下した高齢者がスポーツドリンクを飲めば、さらに腎機能が悪くなる可能性もある。通常の水分補給は水かお茶で十分である。企業に騙されてはいけない。

また、スポーツドリンクが水に勝って水分が保持できるというエビデンスはない。(中略)水よりも有意に水分保持ができたのは、経口補水液と牛乳(全脂肪ミルク、スキムミルク)だけであった。つまり、通常の生活の中では、何を飲んでも大して水分補給の効果は変わらないのである。あえて水分を保持したいのであれば、経口補水液か牛乳となるのかもしれないが、通常の生活で経口補水液が必要である場面はほとんど、または全くない。経口補水液には糖質も入っているので、日常では水やお茶で十分である。(中略)

マスコミや一部の医者が推奨する、脱水予防に対する経口補水液の飲みすぎで、不必要な高血糖に見舞われてしまっている高齢者も少なくないであろう。もう一度いおう。通常の生活では、経口補水液もスポーツドリンクも飲む必要はない。(引用は、ここまで)

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neruzoh注。

エビデンス。和訳すると、証拠。そういう論文はない、ということ。

研修で、小児科を回っていた時に、嘔吐、下痢のある乳児に、経口補水液の細粒(水に溶かすと経口補水液になる)を処方したことがある。

しかし、大人に処方をしたことはない。

不要だ、と思う。

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糖質を多く含んだスポーツドリンクは腎臓に良くない。

読んだ時は、ショックだった。

しかし、そうである以上、水でいいですよ、と伝えて行かなければならない。